日本ハムは8日、北海道胆振東部地震の発生後、最初の公式戦となった楽天20回戦(楽天生命パーク)に敗れた。10勝を挙げているチーム勝ち頭の上沢直之投手(24)が、3回9失点と崩れ、序盤から劣勢を強いられた。被災した選手たちは奮闘したが、白星には届かず。気持ちを切り替え、今日9日の同戦(同)に臨む。

上沢は思わずうなだれた。2回2死一、三塁。ウィーラーに左翼席へ3ランを浴びた。この回に一挙8失点。「力不足」。3回8安打(3本塁打)9失点。「特別な登板」と位置づけた試合は、無念の結果に終わった。

上沢 満足のいくマウンドじゃなかったけど、気持ちが入っていないボールは投げないようにと、思っていた。やられても投げないといけない。応援してくれている人もいる。気持ちだけは切らさずに投げた。

前日7日は、札幌市内の寮の中庭でキャッチボールした。だが被災による調整不足は言い訳にせず、戦う姿勢だけは崩さなかった。

栗山監督も戦い抜いた。「勝ちきれなかったのは申し訳ない」と謝罪したが、積極的なタクトで、石川亮以外の野手を全員起用。投手では鍵谷、玉井の道産子コンビを登板させるなど、随所に考え抜いた用兵を繰り出した。4、5回に2点ずつを返し、難敵の岸を5回で降板させた。

「選手たちが一番悔しかったと思う」。唇をかんだ指揮官は「今日の試合に関しては、いろんな意図を持って自分の中では一生懸命やったつもりなので。できる限りのことをしなければいけない。僕が出来ることを精いっぱいやっていくし、選手もやってくれているし、あとは勝つことだけ。そこだけは出来なかったので、しっかりやっていきます」。北海道を代表して戦う選手たちは、けっして諦めることはない。【木下大輔】