まだまだ進化する! 広島大瀬良大地投手(27)が14日、マツダスタジアムでの投手練習に参加。ここまで両リーグトップの15勝を挙げている右腕は、これから投げたいという新球の存在を明かした。詳細は伏せたが、目前に迫るリーグ3連覇の先にあるポストシーズンもにらみ、備えようという考えのようだ。今日15日の中日戦で披露されるかもしれない。なお、この日巨人が敗れたため、まずは両リーグ最速で3年連続5度目のクライマックスシリーズ進出が決定した。優勝マジックは6のまま。

他球団スコアラーからすれば「また増えた? 勘弁してくれよ」と言いたくなるはずだ。大瀬良が、今後新たに使っていきたい球種があると明かした。「試合では勝ちたい気持ちが九分九厘だけど、余裕があれば試したいボールがある。引き出しはたくさんありますよ」。そう言ってニヤリとした。これからキャッチボールやブルペンで本格的にテストしていくという。

ここまで勝利数と防御率で両リーグトップ。勝率を含めた3冠も視野に入ってきた。大きな飛躍だが、貪欲に成長を求める。新球を試すことでクライマックスと日本シリーズに向けた「ポストシーズン仕様」の投球にしたい意向があるようだ。緒方監督から「投手陣の柱」として認められた右腕。自覚たっぷりだ。

開幕から主に投げてきたのが直球、スライダー、カットボール、カーブ、フォーク。そして8月からチェンジアップも新たに加えた。「フォークが投げられるようになったので、前後の緩急も使いたいと思った。思ったより良かった。まだまだ伸びしろはある」と改善の余地は残すが、要所で投げるなど打者を幻惑。投球の幅を広げている。

今日15日にマツダスタジアムでの中日戦に先発する。1週間前は今季ワースト10被安打の6失点で6敗目を喫した相手だ。だが前回は敵地ナゴヤドーム。同カードは今季5試合に投げ、ホームでは3勝0敗の好成績を残してきた。

「前回のことを引きずってはいないが、抑えるにこしたことはない。チームの大事な時期。いい投球をして、勝ちに導けるようにしたい」。リーグ3連覇が間近に迫っている。ラストスパートの意識は「そう考えると空回りする」と平常心を強調。試合展開によっては、新球が見られるかもしれない。【大池和幸】