北東北大学野球リーグの八戸学院大(青森)最速152キロエース左腕・高橋優貴投手(4年=東海大菅生)が、自身初優勝をプロ入りへの自信につなげる。29、30日の岩手大との最終週へ向け「ドラフト会議まで緊張も不安もあるけれど、自分の完璧な投球よりもチームが勝つことが一番。あと2勝します」。現在は5勝3敗で2位タイ。10連覇を狙う首位富士大(6勝2敗)と2位青森大の直接対決2連戦の結果次第ではあるが、可能性は十分にある。10月1日のプレーオフまでもつれれば、最大3戦に闘志を燃やす。

今月1日、東北地区一番乗りでプロ志望届を提出した。中学時代の友部リトルシニア(茨城)では元巨人の原田明広監督(52)、高3夏の都大会決勝で敗れた東海大菅生(東京)でも元中日の若林弘泰監督(52)の指導を受けてきた。元プロ野球選手から学んだことは継続することの大切さ。自然とプロへの思いも強まっていった。「中高とエースではなかった自分でも、諦めずに努力を続ければプロになって、活躍もできることを、子どもたちに伝えられるような選手になりたいんです」。

テレビ観戦していた07年オールスター第1戦で、9回に登場した阪神藤川球児の姿は、今でも鮮明な記憶が残る。打者3人に対し、全球直球勝負で2奪三振。「自分の魅力は、速球だと思う。そこにコントロールも磨いて、バットがボールの下を空振りすることが目標。そんな三振をとれるプロ野球選手に成長したい」。努力に求める結果も明確だ。

運命のドラフトは来月25日。リーグ制覇の先には、同27日開幕の明治神宮大会東北地区代表決定戦(福島・郡山)も待ち受ける。「役割を果たし、王座も勝って神宮に出場したい」。東北NO・1左腕が、実りの秋へ完全燃焼する。【鎌田直秀】