大山の11番勝負!! 阪神金本知憲監督(50)が9月30日、プロ2年目の大山悠輔内野手(23)をシーズン終了まで4番で継続起用する方針を示した。前日9月29日の中日戦で今季初めて4番に抜てき。4打数4安打と気を吐いていた。クライマックスシリーズ(CS)進出が厳しい情勢のなか、さらに不動の4番糸井が左肩腱板(けんばん)の部分損傷で今季絶望の離脱を強いられた。3位巨人と3・5ゲーム差となり、公式戦は残り11戦。9月好調の大山がチャレンジする。

大山の目の前には「4番の道」がある。前日9月29日に不動の4番だった糸井が今季絶望の左肩負傷で戦線離脱した。大山は代役で起用されると4打数4安打。今季初の抜てきで鮮やかな活躍を見せた。主軸不在の非常事態。CS進出は日増しに厳しくなるが、最後まで食らいつく。公式戦は残り11戦。金本監督は23歳の若武者に4番を託す考えだ。

現状を見据えて「そうなるかな。彼しかいないからな、いまな」と深くうなずいた。指揮官が迷いなく指名するほど、まさに旬の男だ。9月は全22試合に先発し、94打数39安打。月間打率は4割1分5厘で、9本塁打を量産。9、10月度の月間MVP候補にノミネートされ、最右翼に位置づけている。阪神の日本人での月間最多本塁打11本(75、78年田淵、85年真弓)には及ばなかったが、インパクト抜群の働きを見せた。

阪神にとって、生え抜きの4番育成は長年のテーマだ。大山にとって、残り11戦は来季への道筋を照らすチャレンジになりそうだ。阪神歴代2位の921試合で先発4番に座った金本監督は「来年に向けてというより、彼は今年で精いっぱいでしょうけど。残り試合あるので」と続けた。1年目の昨季は12試合4番に入ったが打率1割7分、0本塁打と結果を残せず。プロ2年目の今季は開幕スタメンも不振で試行錯誤したが最終盤に急上昇。糸井を欠いて苦境の打線にあって腕試しの大役になるだろう。

いまの状態を維持できれば“大台到達”もモチベーションになりそうだ。現時点で打率2割8分3厘、86安打。3割間近との問いに指揮官は「規定打席、いっていない。いっているんだったらね。いっていないんだから」と笑う。今季、規定打席には届かないが、打率3割100安打を射程圏内にとらえる。5位に低迷してCS進出は困難だが、怠ることなく将来へのレールも敷く。【酒井俊作】