ソフトバンクが4連勝締めで、下克上日本一へ弾みをつけた。工藤公康監督(55)は、東浜を右肩故障から復帰後初の中5日で先発起用。東浜は5回無失点の好投で応え、7勝目を挙げた。次回も中5日なら、クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージの2戦目(14日)での起用も可能。頼れる昨季最多勝右腕の力を大舞台でも最大限に引き出す。工藤監督4年目のシーズンは82勝、貯金22の2位で終了した。

試合後、左翼席のタカ党のもとへナインとあいさつへ行った工藤監督は、力強くガッツポーズを見せた。「もちろんCSへ向けてです。ここで終わりではないので」と、拳に込めた下克上日本一への思いは強い。

この日は東浜を今季2度目、右肩痛から復帰後は初めて中5日で先発起用した。東浜は2回以降毎回安打を許しながらも踏ん張った。2回1死満塁のピンチでは8番田村、9番平沢と外角低めに直球を決め、連続見逃し三振で切り抜けた。「中盤、少しバランスを崩してしまう場面もあったが、しっかり修正することができた。シーズン最後の登板でまずまずの投球ができた」。5回を6被安打無失点で7勝目を挙げた。

今季は右肩を痛め、5月26日に1勝5敗で降格。だが8月7日に復帰すると、そこから9戦6勝負けなし。球団史上初の2位からの下克上Vを狙うには、投手陣の奮闘抜きでは勝ち抜けない。13日のCSファーストステージ日本ハムとの初戦は、エース千賀の先発が濃厚。バンデンハークやミランダとの兼ね合いだが、東浜が中5日で14日の第2戦に投げられれば心強い。工藤監督は「CSでも当然(中5日で)いってもらう」と、西武とのCSファイナルステージも中5日を考えている。

東浜も「CSを想定しての中5日、もっと短いスパンで投げないといけないかもしれない。体調を整えること。(右肩痛で)離脱した分をまだ返せていない。CSで貢献したい」と、優勝を逃した悔しさをぶつける。

工藤政権4年目は4年連続80勝以上となる82勝60敗1分け、貯金22で終えた。5点リードにもかかわらず8回は加治屋、9回は森でロッテに1点も与えずフィニッシュ。CSへ向け、必勝パターンにこだわった。明日10日からヤフオクドームで、下克上への準備を始める。【石橋隆雄】