CSの裏で戦う阪神金本監督のラストゲームに、チルドレンも気合十分だ。11日に今季限りでの辞任を表明し、今日13日の中日戦(ナゴヤドーム)が最後の采配になる。指揮官2年目の16年ドラフト1位指名された大山は、今季最終戦も4番で出場予定だ。

「監督は僕をプロの世界に導いてくれた人。感謝の気持ちでいっぱいです。結果で恩返ししたかったので悔しいです」。1位は創価大・田中(ソフトバンク)か桜美林大・佐々木(ロッテ)の即戦力投手かと思われたが、指揮官が大学JAPAN4番の実績を買って電撃指名。あの日の感動は忘れない。でも思うほど期待に応えられなかった悔いもある。この日は金本監督の見守る前で甲子園の指名練習に参加。「結果を残すことが僕にとっての恩返し。2年間指導してもらったことを生かしてやっていきたい」と集大成を誓った。

同じく同年5位の糸原も思いは同じだ。「『若いんだからミスとか恐れずにやれ』といつも言っていただいていた。すごくやりやすかった」。JX-ENEOSでの出場試合を極秘視察した指揮官が、実戦向きと評価して隠し玉的に指名。「ずっと使っていただいて感謝しています。僕ら若手がしっかり結果を出して恩返ししたい」。チーム唯一の全試合出場がかかる最終戦でも、成長の1本を届ける意気込みだ。

今季は1軍に定着して4番も任された陽川も表情を引き締めた。「(最後の)試合はしっかり集中して、変わりなくやる。悔しい気持ちと申し訳ない気持ちがあります」。感謝と無念、そして来季こその決意表明。チルドレンがそれぞれの思いをバットに乗せ、有終の白星を贈る。【真柴健】