17年ぶり最下位の責任を取る形で今季限りで辞任となった阪神金本監督が、ラストを飾った。

「今日も足を絡めたり、そういう野球ができた。最後の最後に良かったです」

就任3年間の最終戦。訴え続けた「執念」を、スタメン平均年齢25・1歳の若虎軍団が体現してくれた。1点を追う9回、大山の盗塁が相手のミスを誘い、試合を振り出しに戻した。延長11回、右の長距離砲として期待をかけ続けた5番中谷が決勝打。「3年間いろいろ目をかけて朝練を付き合った選手が来年以降、芽が出て花が咲いてくれないと、僕まで悲しくなる。来年以降きれいなすごい花を咲かせてほしい」。そう照れくさそうに笑った。

3年間の感情を問われると「しんどかったですね、やっぱり」と苦笑いした。

「全部、僕が環境作りをする能力がなかったからこういう結果になったわけで、選手たちは本当に一生懸命やってくれた。(若い選手は)自信を持ってほしい。どんどん失敗して、チャレンジ精神を持って、前向きに、前のめりになってたくさん失敗してほしい」

最後は子を思う親のような笑みを浮かべ、ユニホームを脱いだ。【佐井陽介】