王者が追い込まれた。ソフトバンクに2連敗で王手をかけられた西武辻発彦監督(59)は「今日も8点か。38点。4試合で」と、ため息をついた。ここまでの4試合で計38失点。1試合平均9・5失点なので、10点取らないと勝てない計算になる。12球団トップの得点力を誇る山賊打線をもってしても、厳しすぎる現実だった。

失点の原因は明らか。四球だ。4試合でソフトバンク18、西武22。ともに出しているが、西武は失点に直結する四球が目立つ。この日は、先発今井が初回2死走者なしからグラシアルに与え、柳田に先制を許す2ラン。4点差から2点差まで詰めた後も、7回に増田が先頭の9番甲斐へ四球。1死から上林にも与え降板。代わったマーティンは押し出しを含む2四球。この回の4失点が致命傷となった。辻監督は「(四球は)いつものこと。なんでと思う。8番、9番にチャンスをつくられている」と、下位打線への四球から傷口が広がることを嘆いた。

打線は3回の木村の2ランのみ。好機はつくるが、後が続かない。東浜に目いっぱい飛ばされ、5回からは継投でかわされた。「良い投手が来ると、そう簡単には打てない」と指揮官。同じ相手と連戦で、投手陣の層の差が出てしまっている。

負ければ終わりの崖っぷちで、今日からは第3戦に先発した左腕榎田を中継ぎに入れる。辻監督は「明日が最後の試合になる可能性がある。全力で勝ちにいくしかない」と覚悟を決めた。【古川真弥】