田中さん、教えて下さい! 広島ドラフト1位の小園海斗内野手(18=報徳学園)が11日、他の新人7選手とともにマツダスタジアムなどの球団施設を見学。球場内でトレーニング中の田中広輔内野手(29)と鉢合わせし、ゴールデングラブ賞を受賞した名手への「弟子入り希望」を明かした。将来のレギュラー取りに向け、まずは正遊撃手の背中を追いかける。

マツダスタジアムの施設を見学をする小園に、サプライズが待っていた。球場内でトレーニングしていた田中広とバッタリ顔を合わせた。小柄だが厚みのある体に驚かされた。「よろしく」と声をかけられ、握手してもらった。

小園にとって、同じ遊撃の田中広はこれ以上ない手本だ。菊池、丸とともに「タナキクマル」を形成し、セ・リーグ現役最長、568試合連続でフルイニング出場中。今季は遊撃でゴールデングラブ賞を初受賞している。

聞いてみたいことがある。「バウンドをどう合わしたらいいのか。けっこう難しいんで、どう対処しているか、どういう意識をもっているか聞いてみたい」。セ・リーグNO・1遊撃手の技術と心構えを、知りたくてたまらない。

この日はグラウンドに出て遊撃の守備位置の感触も確かめた。「広いなと思った。周り(右翼スタンド奥に)にコストコがあったりして、あれがいつもテレビで見ているやつなんだと」。赤土の感触については「硬くて、土の中にチップみたいな、石だと思うんですけど、そんな感じのものがあった」。天然芝の内野には「(土だけと違い)すごく難しい。よりいっそう集中することが必要」と話した。

田中広は小園の質問について「それはもう、もちろん(答える)。やりやすい環境をつくってあげたい。若い子たちとやると元気になる」と歓迎。ドラ1ルーキーをもり立てる構えだ。

小園は改めて「ショートはずっと守りたいポジションなんで、そこの意識は変えずに持ち続けたい」と守備位置へのこだわりを語った。いつか田中広から守備位置を奪わねばならないが、まずはその先輩の懐に飛び込みレベルアップを図る。【村野森】