あの坂道ダッシュはつらかったな…。米グアムで自主トレ中の巨人阿部慎之助内野手(39)が“門出”の記憶を思い返した。ジャイアンツ球場では新人合同自主トレがスタート。00年のドラフト1位(逆指名)で巨人に入団し、01年1月15日の同自主トレを回想した。「懐かしいね。ベテランのいまだからこそ、その時の気持ちを思い出すのはプラスだよね。たぶん、緊張していたから、どんな練習だったか覚えてないけど、ランドのレフトの出口から上の門までのダッシュが一番つらかった」と話した。

当時の日刊スポーツの原稿によると、基礎体力を中心にした約4時間のメニューを難なくこなした。当時の高田2軍監督からは「例年はブクブクと太ってやってくる新人が多いが、きっちりと体が絞れている。肩も良さそうだね」と幸先よくスタートを切っている。また、初日を終えた阿部本人は「これぐらい、しんどい練習するだろうと思っていた。予想してた通り」と涼しい顔。「キャンプ前にケガをしてしまったら仕方ない。まず、ケガをしないこと」と振り返っていた。

プロ19年目の今季は4年ぶりに捕手復帰を決めて迎える。プロである以上、実力至上主義は当然で過去の実績では飯は食えない。炭谷、小林、大城らとの争いを勝ち抜かなければ出場機会は減る。プロ1年目同様のアピールが必要不可欠だと自覚しており「総合力しかないよね。肩でアピールできないから。あとは、ベンチに立ってたら若いやつらがピリッとすればいいんだよ。見てるよ、おじさんはって。そういう雰囲気出せれば」。

6日から開始した米グアムでの合同自主トレの、この日は休養日で7日からトレーニングを再開する予定。「どれぐらいやれば不安がなくなるかは分からない。やることをやって宮崎に行けるように。しっかりと準備をしたい」と話す表情はピリッと引き締まっていた。【為田聡史】