もう1つの甲子園も熱い。ゲームの祭典「闘会議2019」が26日、千葉・幕張メッセで始まった。

27日には日本野球機構(NPB)が後援し「第4回スプラトゥーン甲子園全国決勝大会」が行われる。5月18日からは「NPB eスポーツシリーズ スプラトゥーン2」が開催予定。甲子園でスカウトされたチームがプロ12球団を代表して競い合う。

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プロ野球を統括する日本野球機構(NPB)は、なぜ野球と関係ないゲーム「スプラトゥーン2」(以下スプラ)の大会を開くのか。答えは、野球をプレー、あるいは興味を持つ子供が少なくなっているからだ。

NPBの高田浩一郎総合企画室長(53)は「いかにプロ野球ファンを広めていくかが、我々のミッション(任務)だ」と話す。観客動員が年々増えているプロ野球だが、ファンは平均30代以上と高齢化している。一方でeスポーツ(対戦型テレビゲーム)のファンは30代以下が中心。ファン層を補完できる関係だ。「レジャー白書 少子化時代のキッズレジャー」(日本生産性本部)によると、野球、キャッチボールを1年に1回以上行った人口が07年の約1140万人から16年は580万人に減少。地上波中継も減り、野球を見たこともやったこともない人が今後、増加すると予想される。

スプラは陣取り合戦だ。格闘ゲームのような殺し合いや暴力の要素がなく、小学生に大人気だ。DeNAと任天堂が提携する縁もあった。5月に開く大会は、プロ12球団に選手を所属させることで「(野球ゲームの)パワプロより野球と離れている層に接することができる」と高田氏。新たなファン層を開拓できる利点がある。【斎藤直樹】