初々しい背番号18が、さっそく“エースの品格”を見せつけた。2軍スタートとなった日本ハムのドラフト1位吉田輝星投手(18=金足農)が1日、沖縄・国頭でキャンプイン。2日のブルペン入りを前に、まずは軽快なフィールディングで視線を集めた。「フィールディングは大事」と意識レベルは、すでに一流。1カ月近く行われる春季キャンプで「日々進化したい」と成長を誓った。

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真新しい背番号18が、引き締まった表情によく似合った。練習用ユニホームに袖を通した日本ハム吉田輝の胸に、プロになった喜びがこみあげた。「18番は格好いい。背番号に見合うような活躍ができたら」。これまでに数々の名投手が背負った数字の重みを、かみしめた。

まずは、軽快なフィールディングをお披露目だ。ショートバウンドも的確にさばき、同組の先輩たちから喝采を浴びた。ノッカーを務め、OBダルビッシュ(カブス)が入団時に1軍投手コーチだった島崎2軍育成コーチも「ダルが入ってきた頃より体ができている。高卒レベルでは、うまい方。器用なので練習を積めばもっと上手になる」と、評価は上々。吉田輝本人は「ボールとの距離感、ちょっと感覚がずれているので、それが直れば思い通りのプレーができる」と、上達に自信たっぷりだ。

高校時代から、合宿中には1日2時間、通常でも1時間の投手ノックを受けてきた。「考える力がなくなるほど」の数をこなすことで、身体に動きをたたき込んだ。一塁ベースカバーやバント処理では、最短距離でプレーを完成させる足の運びを、常に考えた。「フィールディングは自分のミスをしっかりカバーできる要素。味方のエラーを消すこともできる」と意識レベルは、すでに一流。その思考には“エースの品格”すら、にじむ。

楽しみにしていた沖縄でのキャンプ生活。3人部屋の宿舎は「居心地最高」というが、かわいい悩みも。同居人で昨年のU18日本代表でも同部屋だったドラフト5位柿木蓮投手(18=大阪桐蔭)のものと思われる「いびき」だ。前夜は夜11時に就寝も「多分、柿木だと思うんですけど、いびきがうるさくて1度、起きました」と快眠を邪魔され苦笑い。今日2日には、ブルペン入り。「気温が暖かいので(新人合同自主トレよりも)強く投げられたら」。次は“好投”で首脳陣の視線を集める。【中島宙恵】

 

<吉田輝星のキャンプ初日>

午前7時 起床

同8時15分 宿舎出発

同8時半 クラブハウス入り

同9時5分 国頭球場入りし、サブグラウンドでジョギング

同9時40分 国頭村の歓迎セレモニーに参加

同10時 体幹トレーニング、アップ開始

同10時28分 サブグラウンドでパーカを脱いで背番号18を披露

同10時35分 高卒2年目の田中瑛とキャッチボール。暴投には、頭を下げて「ごめんなさい」

同10時46分 軽やかなフィールディングで投内連係、ゴロ捕球をこなす

同11時45分 100メートル走を10本

正午 昼食

午後0時40分 ゴロ捕球

午後1時半 クールダウン

午後3時 クラブハウス前でサインに応じ、宿舎へ