糸井劇場に球場が沸いた。阪神糸井嘉男外野手(37)が因縁の相手に勝負を挑み、激闘を制した。

ランチタイムのフリー打撃後に右翼で打球を捕っていた糸井は、球拾いをする球場アルバイトの当真圭介さん(22=大学生)に近寄って何やらヒソヒソ。その直後に右翼ポールから中堅までのマッチレースが始まった。

104キロとふっくら体形の当真さんが走りだし、数秒後に糸井がスタート。1本目こそ僅差で当真さんに軍配が上がったが、その後は虎の超人が圧勝した。数十メートルのハンディをものともせず次々と抜き去り、5本走って4勝1敗だった。

実はこの2人は昨年キャンプでも激しいレースを繰り広げており、今回が2度目の対戦。「キャンプに合わせて6キロ減量したんですが…」と調整してきた当真さんだが、レース後は倒れ込んで動けず。「あんな37歳は宜野座にはいません」と目を丸くした。一方、実力を見せつけた糸井は涼しい表情。球場から帰りのタクシーに乗り込む際には「新大阪で!」とドライバーに頼み、周囲を笑わせた。