レギュラー再奪取を目指すソフトバンク長谷川勇也外野手(34)が3日、今キャンプで合計2万スイング以上の振り込みを目標に掲げた。第1クール最終日。ティー打撃で1箱約130球のボールを8箱、3日連続で黙々と打ち込んだ。

「これで飛距離が伸びるとか打率が上がるとかではない。そういうのはわからない。今まではああして、こうしてとやってきたが無心になって打っている」。乱れないスイングでただひたすらネットに打球を突き刺した。

トスを上げるのは金星根(キムソングン)コーチングアドバイザー。韓国で多くの球団の監督を務め野球の神様「野神」の異名を持つレジェンドだ。「長谷川は体が強い。きれいに打つからおもしろい。1000スイングでミスショットは1球か2球。俺とどっちがつぶれるかだね」と笑った。

長谷川勇も「僕は負けませんよ。付き合ってもらっているからこそ歯を食いしばってできる」と感謝。福岡・筑後市のファーム施設での自主トレでも、23日~28日に同様のティー打撃を行ってきた。キャンプの練習日は23日間あり、1日1000スイングだと目標の2万スイングは20日目の25日に達成する。「キャンプ中は完走できそう。メンタル的に踏ん張るのは、ここ一番の場面で力を発揮する気持ちの強さとなる」と精神面でのプラスを強調。右足首に不安があるため、ランニングメニューは免除されている。だからこそ、今できる打撃で高いハードルを自ら課す。B組の若手にもこの上ない刺激を与えている。1軍レギュラー返り咲きを目指す男が、熱く燃えている。【石橋隆雄】