牛若丸と世界の盗塁王から「帝王学」を学んだ! 阪神ドラフト1位の近本光司外野手(24=大阪ガス)が3日、沖縄・宜野座キャンプの視察に訪れた吉田義男氏(85=日刊スポーツ客員評論家)と福本豊氏(71)に弟子入りした。練習中に貪欲に質問攻め。レジェンドの教えを胸に、近本が1年目からレギュラーを奪い取る。

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2人のレジェンドがじっと見つめていた。打撃ケージの中にはドラフト1位の近本がいた。打撃練習を終えると、すぐさま「3者面談」に移った。

吉田氏 競争にどう打ち勝つか。彼がレギュラーを取ることによって(福留、糸井の)両ベテランを脅かすことにもつながる。層も厚くなる。働き頭となって世代交代をしていかないといけない。

85年に虎を日本一に導いた名将が、エールを送った。続いて、世界の盗塁王も1年目からの活躍に期待を込めた。

福本氏 しっかりバットも振れるし、彼も自信を持っている。試合に使ってもらえたら30~40個ぐらい(盗塁は)走れるでしょ。2割6分ぐらい打てば。2割7分も打てば十分ですよ。

近本は臆することなく、貪欲に質問した。新人合同自主トレの際には、吉田氏ら球界の発展に貢献したOBに弟子入りを志願していた。その言葉に偽りはなかった。福本氏から「勉強熱心やから、いっぱい聞いてくれたね。(打撃は)パンチ力もあるから、ちょこんと打つのはダメ。怖さも兼ね備えないと。どんどん走って、アウトになってほしい。試合の中でスタートを切る練習をしないと。タイミングさえわかれば、彼なら走れると思う」と打撃&盗塁の極意を引き出した。

帝王学を学び、近本は満足げだった。「自分の考えや信念を持って、自分のできることをやった方がいいと教えてもらえた」。福本氏の走塁を動画でチェックしているそうで「盗塁の場面ですね。二盗して、すぐに三盗する映像を結構見ていた」と明かした。

この日で第1クールは終了。予想以上の疲労もあり「75点」と自己評価した。驚きの発見もあった。「糸井さんの打球音やスピードが全然違った。いずれは、ああいう風になりたい」。外野争いは激しいが、レジェンドからの金言を胸に「近本旋風」を巻き起こす。【真柴健】