広島の3年目コンビが宮崎・日南キャンプ第2クール最終日の7日、開幕1軍に向けて猛アピールした。床田寛樹投手(23)はシート打撃で主力級の打者6人と対戦し、チームトップ、最速146キロの直球を主体に6打数1安打。坂倉将吾捕手(20)は中村祐からの「チーム1号」を含む4打数3安打で、単打が出れば「サイクル安打」だった。ともに生き残りをかけ、9日からの第3クールに臨む。

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16年ドラフト3位の床田が、シート打撃でエンジン全開だ。野間を一塁ゴロに打ち取り、続く鈴木誠は遊ゴロ。練習生サンタナはインコースで空振り三振に仕留めた。安部に右前打されたが、田中広、菊池涼を二ゴロ。チーム最速の146キロを計測し、打者6人を1安打に抑えた。「先発でやりたいです」と開幕ローテ入りへアピールした。

入団1年目の17年に開幕ローテ入りも、左肘を痛め、同年7月に靱帯(じんたい)を再建する「トミージョン手術」を受けた。昨年8月に2軍戦で復帰。今キャンプは先乗りして投げ込み、初日にチーム最多の103球を投げた。投げられなかった日々を思えば、自然と熱が入った。

打で目立ったのは、16年ドラフト4位の坂倉だ。中村祐のフォークを捉え、右翼スタンドに張られたネットに突き刺した。左の塹江から右翼線に三塁打、右の藤井皓から左越え二塁打。単打が出れば「サイクル安打」だった。第4打席はアドゥワに打ち取られ「サイクルはみんなに言われた。秋は中学生レベル。やっと高校レベルになった」と独特の表現で喜んだ。

坂倉は今年1月、ソフトバンク内川との合同自主トレに参加。内川から「ボールに対して自分の間合いで強く振る」という極意を聞いた。その通りの打撃ができたことがうれしい。今キャンプでは本来の捕手に加え、左翼、中堅にも入っている。出番をもらえるなら、何でもやる覚悟だ。

緒方監督は、2人のアピールを歓迎した。床田については「左ピッチャーなんで、こちらも先発枠のところで非常に期待している」。坂倉は「上のレベルでいかに慣れていって経験積んでいけるかという段階に入っている」。明日からの第3クールで、いよいよ競争が本格化する。【村野森】

◆床田寛樹(とこだ・ひろき)1995年(平7)3月1日生まれ、兵庫県出身。箕面学園から中部学院大を経て16年ドラフト3位で広島入団。17年に3試合に登板し1勝1敗、防御率5・19。昨季は1軍戦登板なし。181センチ、85キロ。左投げ左打ち。

◆坂倉将吾(さかくら・しょうご)1998年(平10)5月29日生まれ、千葉県出身。日大三では通算25本塁打。16年ドラフト4位で広島入団。1軍では17年3試合、18年9試合、計12試合出場し2安打、3打点、0本塁打、打率1割6分7厘。176センチ、84キロ。右投げ左打ち。