レギュラー取りの道は、打ちまくって切り開く。日本ハム横尾俊建内野手(25)が23日、広島との練習試合(コザしんきんスタジアム)に「5番一塁」でフル出場。

今季の実戦1号を含む5打数3安打3打点と大暴れした。「与えられたチャンスで1球1球、集中して仕留められた」と、最大の売りである打撃で首脳陣へアピールした。

待望のアーチを描いたのは、6回1死三塁の好機だった。広島ローレンスの初球、139キロのシュートをとらえて左翼席へ運んだ。「チャンスだったので打てるボールが来たら打とうと思っていた」。狙い通りの結果にも表情は引き締まったまま。7回に左前適時打、9回にも左前打を放っても浮かれない。「レギュラーをつかむには、もっとやらないといけない」。お決まりの「おにぎりポーズ」も封印した。

20日の楽天との練習試合(金武)から、3試合で11打数6安打4打点。キャンプ終盤に入り、実戦で結果も伴ってきた。「自分は自分の打撃をするだけ。周りと競争はしない」。オフは長打力アップへ取り組んでいた仲のいい石井に、惜しみなくアドバイスする姿もあった。そこに損得勘定は一切ない。ピュアな勝負師は、正々堂々と実力でポジションを勝ち取る構えだ。

横尾の本職である三塁には、層の厚い外野陣から近藤、大田、浅間が挑戦中。一塁、二塁もこなすが、最大の魅力は打撃だと自負する。「とりあえずチームで一番打ってレギュラーになる。使わざるを得ないような選手にならないと」。ここからも打ちまくって、シーズンでおにぎりを握りまくる。【木下大輔】