東北に勇気を与える「アップルパンチ」を見せる。西武外崎修汰内野手(26)は故郷に思いをはせた。

桜で有名な青森・弘前市出身。5月29日には同地で楽天戦(はるか夢球場)が行われる。初の凱旋(がいせん)に「素直にうれしい。なかなかこんな機会はない。いいところを見せられるように頑張りたい」と声を弾ませた。

被災地への思いは強い。8年前の3月11日、地元で東日本大震災を経験した。「身近なところでの影響はすごく感じました。断水に停電。あとは給油ですね。家の近くにガソリンスタンドがあるんですが、給油待ちの車の列が家の前まで伸びていた」と振り返る。内陸部に位置するため沿岸部に比べて、大きな被害はなかった。その後、東北の被災地の状況を知り「復興に少しでも力になれたら」と心を砕くようになった。

だからこそ、プロの魅力を示すつもりだ。青森県内での1軍公式戦は17年に29年ぶりの復活後、3度目。野球に触れる機会が少ない子どもたちに「僕たちのプレーを見てもらえれば、見方が変わるかもしれない。『格好いい!』とか身近に感じるきっかけになってほしい」と願う。代名詞の強打で青森、そして東北の力になる。【島根純】