またまた梅ちゃんバズーカがさく裂だ! 阪神梅野隆太郎捕手(27)が2度も強肩を発動させた。2回には山本を、7回には代走神里の二盗をストライク送球で阻止。オープン戦の盗塁阻止率8割と驚異の数字を誇る。他球団の足攻めを、この鬼肩で封じ込めるで~。

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涼しげな顔で任務を遂行した。2回の守備で、1死一塁の場面。マウンドのガルシアが右足股関節周りの張りを訴えた直後だ。9番大和から空振り三振を奪うと、すぐさま二塁に送球。一走・山本の盗塁をストライク送球で阻止してみせた。「自分がそれが役目。仕事なので。やるべきことが出来るか、出来ないか。結果がアウトで良かった」。7回にも1死一塁から、二盗を狙った俊足の代走神里を強肩で食い止めた。

ネット裏の007にも大きなプレッシャーだ。梅野の鬼肩は球界にも知れ渡る。オープン戦で8個の盗塁刺は、現時点で12球団トップ。許した盗塁は2つしかなく、盗塁阻止率も8割を誇る。昨季シーズンの盗塁阻止率3割2分。巨人小林に2分1厘の差でリーグ2位だったが、今季はさらにすごみを増している。開幕を直前に控えて集結する他球団スコアラーにも、その脅威を存分に見せつけた。ちなみに甲斐キャノンで知られるソフトバンク甲斐は今オープン戦で盗塁刺5、許盗塁3で盗塁阻止率6割2分5厘だ。

バットも上昇気配が漂う。2回、1死満塁から三ゴロ併殺崩れでオープン戦初打点を挙げると、5回にバリオスの変化球を左前打、9回には守護神山崎の直球をふり抜いて中前打を放った。「ゾーンの中で振り抜けた。(調子が)上がってきていると思います」。正妻奪取だと言わんばかりの暴れっぷりだ。

ただ、矢野監督は注文を忘れなかった。大量5点を失った4回の守備。2番手守屋が先頭ロペスを迎えた場面。2球で追い込んで高め直球を痛打され、左中間へ二塁打を浴びた。「あそこはリュウ(梅野)が引っ張ってやらないと。最高の追い込み方をしてて。たまたま打たれたんだけど、自分のなかではないボールだったんで」。試合後の梅野に笑顔はなかった。期待値が高いだけに、求められるパフォーマンスも高くなる。【桝井聡】