広島ドラフト1位小園海斗内野手(18=報徳学園)が、オープン戦2号2ランを放った。4打席凡退で迎えた9回。1死一塁でヤクルト守護神・石山の高め真っすぐを強振。打球は鋭く右翼席に突き刺さった。「1番遊撃」でのオープン戦初先発に3日西武戦以来のアーチで応えた。

「それまでの打席が悔しい結果に終わっていたので、最後は打ってやろうという気持ちで高めの真っすぐを振り抜けたので良かったと思います。(スタメンは)プロの世界で初めてなので、楽しくやれました」

試合後は笑顔だったが、凡退した打席で悔しさをにじませた。「経験」で終わらせず「チャンス」と捉えた。全5打席、ファーストストライクからバットを振り「空振りでもいいので積極的に。持ち味でもあるのでそこを変えずにやっていきたい」と胸を張った。

目の前に憧れの存在、宝塚リトルの先輩ヤクルト山田哲がいた。19日の試合前にあいさつとお礼をした。キャンプインの際、小園の部屋に新しいマットレスが届いた。送り主の名前も、手紙もなかったが、メーカーやチームメートからの情報で山田からだと分かった。この日、試合終了の瞬間、走者だった先輩から「ナイスバッティング」と言われ「うれしかったです」と少年の笑顔を見せた。

主力4人を欠いた打線に火を付け、小園からの3者連続弾で4点差を追い付いた。緒方監督は開幕1軍について「頑張っている選手の1人。今は明言しない」と話すにとどめた。だが、想像を超え続ける姿に、現実味を帯びてきた。【前原淳】

▽ヤクルト山田哲(広島小園について)「センスがあるし、1軍で活躍するんだろうなと思います」