広島野間峻祥外野手(26)が24日、オープン戦最終戦となったソフトバンク戦(マツダスタジアム)で1軍に帰ってきた。「8番中堅」で先発出場して無安打も、2四死球2打点と渋い働きで存在感を示した。中堅の守備でも安定感があり、2回には中ゴロも記録。オープン戦首位を決めたチームに、4連覇に不可欠なピースが加わった。

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10日ぶりとなった1軍のオープン戦で、野間は最後までグラウンドに立ち続けた。「8番中堅」でスタメン出場。安打は出なかったものの、粘った結果の2四死球に、犠飛を合わせ2打点を記録した。中堅の守備でも、2回無死一、二塁から松田のライナー性の打球をショートバウンドで取り、二塁転送。中ゴロでアウトにしとめた。

「もう1回初心に帰って、食らいついていく気持ちです。2軍でしようもないことをしましたし、それを逆に落ち込むのではなく自分と向き合おうと思った」

思わぬミスから2軍調整が長引いた。出場機会を増やすために、15日ウエスタン・リーグのソフトバンク戦に出場。3回に左前打で三塁から本塁を駆け抜けるも、球審からベース踏み忘れと判定され、得点が取り消された。緒方監督の逆鱗(げきりん)に触れ、そのまま2軍降格。微妙な判定ではあったが、言い訳せずに前を向いた。

2軍打撃コーチから指導を受けながら、東出打撃コーチからも連絡をもらった。開幕1軍を諦めず、1歩1歩前に進み、オープン戦最終戦で1軍復帰を果たした。先発起用に、フル出場…。2軍の調整期間延長もまた、首脳陣の期待の表れでもある。

ソフトバンクに引き分け、96年以来のオープン戦首位で開幕を迎える。近年、オープン戦首位に立った前年覇者3球団のうち、2球団が再び頂点に立っている。4連覇の吉兆とともに、チームに野間も加わった。脚力だけでなく、中堅の守備力はチームトップ。打撃も昨年規定打席に達して、打率2割8分6厘の成績を残した。東出打撃コーチも「開幕1軍を狙う選手ではなく、レギュラーを狙っている選手」と認める。「いい時間となったか?」との問いに、野間は「それはシーズンが始まってみないと分からない」と表情を引き締めた。本当の戦いは、シーズンとともに幕を開ける。【前原淳】