プロ野球はいよいよセ、パ両リーグが29日に開幕します。日刊スポーツ評論家陣に、今年のペナントレースを占ってもらいました。第1弾はセ・リーグ編です。谷繁元信氏は丸が加わった巨人の打線に期待します。

 

◆谷繁氏の予想

<1>巨人 <2>広島 <3>ヤクルト <4>阪神 <5>DeNA <6>中日

 ◇  ◇  ◇

補強の質が違う巨人が優勝するとみている。丸の獲得は今までのFAと違う。これまで全盛期を少し過ぎた選手の補強が多かったが、丸はまだまだ発展途上とも言える存在で野手への相乗効果が大きい。

去年までの打線は調子の良しあしに影響されていた。丸は計算ができるし、2番にも3番にも入れられて前後が生きる。吉川尚が独り立ちできれば坂本勇との2、3番が組め、4番岡本へと打線が“線”になる。5点打線も期待でき、投手陣への不安がある分、今年は打ち勝つ野球になってくる。原監督は守りの野球も両方でき、3年離れているが経験値があるのが一番大きい。

広島は4連覇の可能性は十分にあるが、順位を予想する上で、丸の抜けた穴を差し引かなければならない。ポスト丸は今年から外野に転向する西川、巨人から移籍の長野らになるが、鈴木の成長力がすごい。去年からワンランク上がっている。打線に頼るところが多く、投手陣の顔触れも大きく変わっていないが、岡田も昨季のような不振はないだろうし、床田もいい。次々に選手が出てくるチームなので優勝争いには絡む。

ヤクルトは決まったメンバーになるが打線の安定感はある。不安は昨年頑張った石山、近藤の中継ぎ陣がへばらないか。DeNAは先発の出遅れが現状の評価に表れる。阪神は糸井、福留、鳥谷頼みでルーキーの近本、木浪は面白いが全員左で打線の期待値が低い。中日は打線は悪くはないが、抑え候補の鈴木博に1年間信頼を置いて戦えるか。優勝争いはマッチレースで、3~6位はどこが来てもおかしくない。

<昨年順位おさらい>

<1>広島   82勝59敗2分け 721得点651失点

      7ゲーム差

<2>ヤクルト 75勝66敗2分け 658得点665失点

      6・5ゲーム差

<3>巨人   67勝71敗5分け 625得点575失点

      1・5ゲーム差

<4>DeNA   67勝74敗2分け 572得点642失点

      4ゲーム差

<5>中日   63勝78敗2分け 598得点654失点

      1ゲーム差

<6>阪神   62勝79敗2分け 577得点628失点