DeNAの連敗が「9」に伸びた。3点を追う9回に1点差まで追い上げたが、あと1歩及ばなかった。

打線は連敗中の9戦で計20得点しか奪えず、1試合平均は2・2。中でも17年に首位打者を獲得した宮崎敏郎内野手(30)は打率1割8分3厘と苦しみ、終盤の好機で凡退を重ねた。12日時点で12球団最少の「2」だった失策数も、ここに来て「13」と歯車がかみ合っていない。首位巨人とのゲーム差は6・5に開いた。

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トンネル脱出へイケイケムードだった。3点を追う9回。2死一塁から3連打で1点差まで詰めた。なお2死一、二塁と好機が続く中で、宮崎が空振り三振。16日中日戦から続く連敗は「9」まで伸びた。ラミレス監督は「最後はエキサイティングな展開だったけど、あと1歩が。打ちだしたのが遅かった。序盤に攻めないと」と唇をかんだ。

自慢の打線がつながらない。ここ9試合の1試合平均が2・2得点。中でも重症は最後の打者となった5番の宮崎だ。6、8、9回と3度の得点圏で凡退し、打線の流れを寸断してしまった。スタメン野手で唯一の打率1割台と、2年連続で打率3割をクリアした男が極度の不振にあえぐ。同監督は「これほどのスランプを見たことがない」と心配。「いい球を見逃し、悪い球に手を出している。悪いスランプの顕著なサイン。チームにとって、彼にとって何がベストか」と打順の組み替えを示唆した。

鉄壁だったはずの守備にも、ほころびが出始めている。12日時点では両リーグ最少失策「2」だったが「13」に急増。4回2死満塁の場面では大和が打球を左足に当て、外野へ後逸。名手が珍しいエラーを犯し、2点を献上した。ブルペンも不安で、心配の種はパットン。同点の8回に投入された19日の広島戦では、3イニング目となった延長10回にサヨナラ打を喫した。9連敗の中で唯一、先制した試合だったが、昨季リーグ2位の33ホールドをマークしたリリーバーも開幕から安定感を欠いたままだ。

さらなる不安要素も舞い込んだ。攻守の軸であるロペスが、7回守備からベンチへ退いた。6回の打席でスイングの際に、左肘を痛めた。本人は「今のところ、明日は大丈夫」とガッツを見せたが、離脱となれば影響は計り知れない。何とか1日でも早く、白星が欲しい。ラミレス監督は「やり続けるしかない。自信を取り戻すしかない」と切り替えを強調。暗雲がたれ込める平成の終わりを早く断ち切りたい。【栗田尚樹】