真ん中に入った135キロのスライダーを左翼フェンス際まで運ばれた。今季初の延長戦の10回2死二塁、5番手で登板した野上が、広島の3番バティスタにサヨナラ打を浴びた。「勝負です。カウントを悪くしてしまった…」と言葉をしぼり出した。

2死二塁となった場面で、原辰徳監督は自らマウンドに向かった。直接鼓舞するのは3月29日の広島との開幕戦以来。一塁は空き、次打者は4番鈴木。「意思確認ですね。勝負? そういうことですね」と言った。邪念を捨てて打者に向かったが、課題の救援陣が今季6敗目(2勝)。「もう少し点を取ればということがあるしね。(投手陣が)もうひと踏ん張りというところもある。課題は多いですよ」と受け止めた

10連戦の8試合目。前日のナイターからデーゲームに替わるタイミングで、試合前の打撃練習とシートノックを行わなかった。「チームの中での最善策」と異例の取り組みで選手のコンディショニングを最優先させた。7回には丸の2点適時二塁打で逆転したが、粘り切れず。17年途中から延長戦では12試合連続白星がない。今季チーム2番目の長さとなる3時間46分の総力戦に敗れ、2位ヤクルトに0・5ゲーム差に迫られた。【前田祐輔】