ソフトバンクが「仙台の悪夢」に襲われた。楽天を相手に、17年9月17、18日西武戦以来の2戦連続サヨナラ負けを喫した。1点リードの8回に防御率0・00のリバン・モイネロ投手(23)が、代打渡辺直に今季初被弾し同点。9回は甲斐野央投手(22)が無死から3連打を浴び、3戦連続失点でプロ初黒星となった。開幕から好投を続けていた救援陣が2試合続けて逆転を許した。

打球は無情にも、二塁ベースの右を抜けていった。同点の9回に登板した甲斐野が無死から2連打で一、二塁のピンチを招く。続く銀次のバスターの打球が、バントシフトをあざ笑うように外野へ転がった。まさかの2戦連続サヨナラ負け。自身3試合連続となる失点でプロ初黒星を喫した右腕は「バッターを抑えることだけを考えてマウンドに上がりましたし…。やることはちゃんとやって、結果、ゼロで帰ってくるのがベストでしたけど。また切り替えて臨みたい」と振り返った。

8日は7点差をひっくり返された。一夜明け、この日は継投策が裏目に出た。工藤監督は「だんだん相手が合ってきていた」と好投していた大竹を7回2失点で降板。セットアッパーに定着していた甲斐野ではなく、3点差以内の8回に今季初めてモイネロを送り込んだ。倉野投手コーチは「連投もあったし、モイネロの状態と比較して」と状況次第で甲斐野を休ませる狙いがあったと説明。だがモイネロは代打渡辺直に同点ソロを今季初被弾。防御率0・00だった左腕に、初めて自責点が付いた。

このカードが始まるまでは先制した試合で17勝2敗と圧倒的な強さを誇った。支えてきた盤石のリリーフ陣にほころびが見えた。指揮官は「リリーフ陣も一生懸命やった結果。そこを何とか言うつもりはない。頑張ってきてくれている」とかばい、甲斐野についても「ずっとゼロで頑張ってきたピッチャー。失点したからといって、(2軍に)落とすとかはない。これからも責任のあるところでやってもらいたい」と変わらぬ信頼を口にした。2位楽天との直接対決でまさかの2戦連続サヨナラ負けとなり、ゲーム差を2・5に縮められた。首位快走中に見舞われた「仙台の悪夢」だった。【山本大地】

▼ソフトバンクが2試合連続のサヨナラ負け。2戦連続サヨナラ負けは17年9月17、18日に西武に連敗して以来。今季のソフトバンクは先取点を取ると強く、ここまで17勝4敗と大きく勝ち越している。逆転負けもリーグ最少タイの5だが、今回は救援陣がつかまり、今季初の2戦連続逆転負けを喫した。