大体大が関西国際大を11-4で下し、16年秋以来5季ぶり38度目の優勝を決めた。同点で迎えた7回表、7番駒方公紀内野手(4年=高岡商)の左越え3ランなどで4点を奪い勝ち越した。8回裏に1点差に迫られたが、9回に6点を追加し、関西国際大を突き放した。大体大はリーグ代表として全日本大学選手権(6月10~16日、神宮ほか)に出場、6月11日に高知工科大(四国地区大学代表)と初戦を戦う。

主将の1発が勝利を後押しした。「みんなのために」と駒方が7回2死二、三塁から追加点の3ラン。「駒方の本塁打でなんとかなる気がした。駒方がいるうちに優勝しようという気だった」と中野和彦監督(60)。駒方は16日から母校で教育実習を控えており、この日敗れた場合は、20日に行われる優勝のかかった試合に出場できない見込みだった。チームは10安打を放ち、11得点で優勝をたぐり寄せた。

昨春は63季ぶりに最下位。「伝統に泥を塗ってしまった」。主将として、嫌われ役も買って出た。選手とは1対1で話し合い、練習では「一緒にやろう」と歩み寄った。「一言言えばみんながついて行く。駒方が打ってみんな喜んでいた」と指揮官も信頼を寄せる。

駒方はナインの胴上げで宙を舞うと「本当にうれしい」と顔をほころばせた。全国大会は16年秋以来。当時ベンチ入りしたのは、駒方を含む2人だけ。「楽しめる場所だと思う。雰囲気にのまれないようにしたい」。頼れる主将が、大舞台でもチームを先導する。