阪神近本光司内野手(24)が自慢の快速を飛ばした三塁打で、勝ち越しの道を切り開いた。

同点の7回。先頭で打席に立つと、左腕今永の初球を振り切った。「自分の中では2、3打席目と悪いイメージはなかった。(5回の打席では)いい空振りができていたので、初球から(球に)負けないようにいった結果です」。気持ちで運んだ打球が右翼線の内側にポトリと落ちると、背番号5は迷わず一塁、二塁と蹴った。三塁に悠々到達すると、ポンッと手をたたき、三塁側へ笑顔でガッツポーズを向けた。2死から4番大山の二塁適時打で、決勝の本塁を踏んだ。

9回にも快足で内野安打をもぎ取り、3戦連続マルチ。3戦全て内野安打を記録し、持ち味を存分に発揮している。横浜スタジアムは4試合で17打数8安打、打率4割7分1厘と最も得意とする。4月25日同カードでも、初対戦となった今永から2打数2安打。9回には、2死から守護神山崎を打ち崩す起死回生の逆転3ランも放った。チームの好相性そのままに、近本も相性の良さを見せつけた。 三塁打は広島野間と並んでリーグトップタイの4三塁打となった。打席を振り返り「(右翼手の)ソトがセンター寄りで右翼線が空いていたので」。盗塁でも、相手バッテリーの動きを見ながら、企図を止める時もある。打席でも冷静に野手の位置を確認し、瞬時の判断で1つでも先の塁を陥れる。 虎を引っ張る若きリードオフマンが、自慢の足とバットでチームを4連勝に導いた。【奥田隼人】