阪神藤川球児投手(38)が、NPB通算防御率1点台へ、交流戦明けもフル回転や! 甲子園での全体練習に参加。キャッチボールやダッシュなどで調整を行った。今季は、ここまでセットアッパーとして27試合に登板。防御率1・30、4勝15ホールドで救援陣を支えている。主にクローザーから中継ぎまで幅広くこしてきた右腕は現在、NPB通算で893回2/3を投げて防御率は2・01。あと8回2/3を自責0に抑えれば、NPB通算防御率が1点台に突入する。

「そこの数字は興味がある。元々、目指しているところ。8回2/3を抑えてもその後、続くことなので。だから、面白い」

数々の記録を残してきたベテランも、自身の記録は二の次三の次。常にチームの勝敗を気にかけてきた。だが、通算防御率に興味を示すには理由がある。

「数字が記録に残ってしまって消えないのは好きじゃない。(通算防御率は)ずっと、その駆け引きができるというのが面白いところ。僕が興味あるところは、そこだけです」

残した記録よりもマウンドで勝負を続け、変動していく防御率。そこに着眼するのが藤川流の考えだ。

救援陣は離脱していたジョンソンが戻り、盤石の態勢でリーグ再開を迎える。背番号22は冷静に、気持ちを整える。

「自分はチームの様子を見ながら。もう1回、同一リーグに戻る。交流戦で数字を落とした選手も、ちょっと気持ちが違う部分で入ってきていると思う。そこは毎年、冷静に見ておかなければ結構つまずくので」 まずは前半戦の残り11試合。チーム浮上のために、防御率をどんどん低くさせていく。【奥田隼人】

 

▼阪神藤川はあと8回2/3を自責点ゼロだと通算防御率が1・994で1点台となる(8回1/3で自責ゼロであれば、1・995だが四捨五入して2・00)。プロ野球で通算防御率(投球回2000回以上が対象)が1点台の投手は1・90の藤本(巨人)1・96の野口(阪急)1・98の稲尾(西鉄)1・99の若林(毎日)の4人だけ。藤川は救援が主のため通算投球回は893回2/3だが、通算100セーブ以上の投手31人で見ると、藤川の2・01はサファテ(ソフトバンク)の1・57に次ぐ2位だ。通算防御率1点台は至難で、2・50を切る選手も藤川、林昌勇(ヤクルト)ら7人だけ。藤川はサファテに続いて1点台に突入することができるか。