日本ハムはソフトバンク10回戦(札幌ドーム)で逆転負けを喫し、今季ワーストの5連敗となった。1点リードの9回2死一塁の場面で、上林に逆転2点ランニング本塁打を打たれた。連敗脱出まで、あと1死と迫りながら土壇場で暗転。4カード連続負け越しが決まった。最多8あった貯金も尽きて、5月29日以来1カ月ぶりに勝率5割へ逆戻りした。

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日本ハム・ナインの足が止まってしまった。1点リードの9回2死一塁の守備。上林が放った打球は高く、勢いよく、滞空時間も長かった。左翼手の近藤は追いながら、フェンス直撃以上を確信。クッションボールに備えて、打球の軌道の下で、本塁を背に構えた。

近藤 あっちに跳ねたということは、完全に入ったと思った。(三塁塁審が)セーフってやっていて、びっくりした。

打球は直線的ではなく、中堅方向へ跳ねかえった。フェンスを越えてしまったと確信する判断材料も、三塁塁審はセーフのジェスチャー。フェンス最上部に当たった安打で、本塁打ではないという判断だった。

中堅手の西川も1度は、跳ね返った打球を追いかけることを止めた。

西川 普通、あんな跳ね方はしない。入ったと思ったけど、審判がホームランじゃないとしていた。僕らの方が審判より近くで見ていましたからね…。

右中間寄りだった守備位置から、疑念を持ちながら、懸命に追いかけたが、捕球した時には上林は三塁を回っていた。いずれにせよ、逆転弾という結果は変わらなかったかもしれないが、後味の悪さだけが残ってしまった。

連敗脱出まで、あと1死のところから抜け出せなかった。今季ワーストの5連敗で、貯金は底をついた。栗山監督は「悔しい試合ですけど、自分たちがやったことなので」と言葉を絞り出した。試合の流れをつかみきれず、得意な接戦の展開でも勝ちきれない試合が続く。「今は1つ1つ、みんなで我慢して勝っていくしかない」。まずは1つ、どんな形でも勝ちたい。【木下大輔】