球宴の鬱憤(うっぷん)をボールに乗せてかっ飛ばした。

ロッテのブランドン・レアード内野手(31)が1点を勝ち越された直後の7回、25号逆転2ランを放った。球団では05年李承■以来14年ぶりの25号は、日本一に輝いた10年以来となるチーム通算100号。後半戦初戦の白星を導いた。5月28日以来の借金完済で西武と並ぶ4位に浮上。ここから一気に「マウエ↑」を目指す。

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高々と上がった打球はぐんぐん伸びた。7回1死一塁、追い込まれてからの7球目、西武マーティンの外角いっぱいのスライダーを芯で捉えた。「手応えはあったので入るかなと思った。(腕を)伸ばしたところで片手にぐっと力が入ったよ」と会心の一撃だった。球団でシーズン25号到達は日本一に輝いた05年、李承■までさかのぼる。

12日に3度目の球宴で初めて本塁打競争へ出場した。心待ちにしていた舞台だが、結果は2本にとどまり、初戦で巨人坂本勇に敗れた。「ホームランダービーは残念な結果になった。でも後半戦の最初の試合で打ててうれしいし、最初が大切だった」。後半戦への活力に変え、今季チーム100本目の記念弾を放った。

球宴のロッカーでは日本ハム時代の「すしTシャツ」を着た。球宴用のグラブにも大トロの刺しゅうを入れるほどすし好き。異国で5年間活躍し続ける背景には食への対応がある。「アメリカでも日本食は食べていたけど、日本に住むに当たって、もっと食べて慣れていかないとと感じたよ」。今では、そば、天ぷらに加え、納豆まで好んで食べるようになった。レアードに刺激を受け、来日2年目のボルシンガーも今年から納豆を食べるようになったほどだ。

現在は4位だが混戦のため、Aクラスは目前だ。「各チーム詰まってますし、明日どうなるかわからないという状況。しっかりと1つずつ戦っていってチームとしての戦いをしたい」。追い上げ開始の号砲を打ち鳴らした。【久永壮真】

※■は火ヘンに華