楽天美馬学投手(32)が26日、ロッテ-楽天12回戦(ZOZOマリン)でチームに勝利を引き寄せた。

前回19日のソフトバンク戦で8回終了時まで見せた完全投球の再現とはいかなかったが、粘りの投球を展開。際どいコースをボールと判定されていら立つ場面もあったが、6回を自責3のクオリティースタートで切り抜け、8回の打線の爆発につなげた。チームは西武を抜いて再び3位に浮上した。

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ほぼ完璧だった前回のようにはいかなかったが、美馬がなんとかチームに勝利を引き寄せた。初回にいきなりロッテ鈴木に先制ソロを浴び、2回にも井上の適時打で失点。5回には先頭の田村に初球を二塁打され、そこから1失点。「振らないかなと思って、ちょっと簡単にいきすぎて打たれちゃいました。(田村には)結構食らってるのにすぐ忘れる」と苦笑いで振り返った。

それでも大崩れはしなかった。6回2死一塁で井上を迎えた場面では、際どい外角スライダーをことごとくボールと判定され、最後は外角低め直球が微妙に外れてストレートの四球。何度も首をかしげると、ぶぜんとした表情でマウンドで手を上げ、一呼吸を置くために自ら投手コーチを呼んだ。冷静さを取り戻すと、続く田村を遊ゴロに仕留めた。6回89球を投げて5安打3失点、4三振2四球。平石監督も「あまり良くない中、よく粘った。1点ずつの3失点で試合をつくってくれた」とたたえた。

試合後、球場の入り口で同じ86年生まれのロッテ清田と遭遇した。清田は周りにいた記者に聞こえるように「(美馬が)態度に出しすぎだって書いておいてください」と冗談を飛ばした。美馬も「あれはストライクだって書いておいてください」と笑顔で“応戦”する一幕もあった。

内容はパーフェクトには遠く、勝敗もつかなかったが「とりあえず6回3失点で投げられて、いい流れで森原とブセニッツが松井につないでくれて。最後、(チームが)勝ったのでよかったです」と納得の表情で帰路に就いた。逆転を呼ぶ粘りのピッチング。チームは貯金を3とし、再びAクラスとなった。【千葉修宏】