阪神新外国人のヤンハービス・ソラーテ内野手(32)が、反撃の弾丸二塁打など連日の活躍で巨人連倒を導いた。ド派手な「セクシータイム」パフォーマンスもチームを盛り上げ、ノッたジェフリー・マルテ内野手(28)も9号同点ソロ。負ければ再び自力Vが消えた一戦で延長11回、4時間37分の激闘を制す大山の決勝打を呼び込んだ。虎の“ソラマル”コンビが大逆襲を引っ張ってくれそうだ。

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左翼線の鋭い打球に東京ドームの虎ファンがこの日初めて沸いた。沈滞ムードを振り払ったのは、明るく陽気な新助っ人ソラーテだ。2点を追う5回1死。今村の初球カーブを振り抜き、会心の左翼線二塁打だ。

ソラーテ いいコンタクトをしようと思った結果だよ。

完全投球されていた左腕からチーム初安打。全力疾走で二塁に到達すると、縦に開いた両手をパチンッとたたく「クロコダイルポーズ」をさく裂させた。さらに両手の人さし指を突き上げ、ノリノリでコミカルなダンスを披露。ベンチも盛り上げ、北條の適時打を呼び込んで1点差に迫った。

タテジマデビュー2日ですっかり人気者だ。前日は「2番遊撃」で出場し、7回に左翼上段へ勝ち越しの来日1号をぶっ放した。この日は休養日の福留に代わる「5番左翼」と打順もポジションも変幻自在。初回に守備に就く際は、黄色に染まった左翼席の大声援に両手を突き上げ、虎党のハートをわしづかみにした。

誰よりも刺激を受けたのが、後ろを打つ6番マルテだろう。1点を追う7回1死で沢村の153キロをフルスイング。左翼席上段に9号同点ソロを突き刺した。ベンチに座っていたソラーテは、お祭り騒ぎでグラウンドに飛び出し、矢野監督よりも先にハイタッチ。その後は自分が打ったかのようにマルテより先にハイタッチを重ねてさらに盛り上げた。“ソラマル”コンビの活躍で終盤に追いつくと、延長11回に大山の決勝打が飛び出した。マルテが本塁打を打てば、9試合負けなし。不敗神話も継続だ。

マルテ 昨日は彼が打ってうれしかった。今日は彼が喜んでくれた。一緒に戦っている仲間としてうれしいよ。

ソラーテ マルテ選手が打って勝ててよかったよ。

矢野監督も2人の話題に会心の笑顔だ。「本当にチームの士気も上がる。ファンの人もソラーテの動きを注目して、それを見て喜んでくれている。2人はベンチでもよく話をして相乗効果はあると思う」。首位巨人を連倒してカード勝ち越しが決定。東京ドームは3連敗後4連勝だ。負ければ再び自力Vが消えた危機も脱し、首位まで7・5差に押し戻した。ラテンのリズムが、追い込まれた虎をよみがえらせた。【桝井聡】