日本ハム栗山英樹監督(58)が、名馬ディープインパクトの死を悼んだ。
栗山監督 本当に…本当に…残念だな…。あれだけ多くの人たちに夢や希望、元気を与えた。俺もすごく、勝ち方とか意識したこともあった。
突然の悲報に、言葉は詰まった。
最強馬と初めて対面したのは16年1月12日。北海道・安平町にある社台スタリオンステーションを訪問した。憧れていたスターホースが目の前に現れると「ディープ、勝ち方を教えてくれ!」と直球を投げかけた。会話はできなくても、ともに勝負の世界を生きる者同士。なぜ、あんな圧倒的な勝ち方ができたのか。直に接することで、その極意にも触れられた。
栗山監督 いろんなディープの話を聞いていると、本当に走ることが大好きだった、と。これは本当に大原則だと思う。野球も一緒で、誰よりも野球を好きで、野球を一生懸命にやるしかないと思うんだよ。本当に野球が好きで、誰よりも野球を一生懸命やる人には勝てないのが、原理原則だと思うから。
万事に共通する、勝つために必要なことを、あらためて教わった。初対面から約9カ月後、日本ハムは日本一を達成。以後、毎年1月に必ず、ディープに会うことがオフのルーティンとなっていた。いつも、不思議なオーラに圧倒されてきた。
栗山監督 それぞれ天命みたいな、この世に生まれてやらなきゃいけないことが、それぞれの人にはやっぱりあると思うんだけど、ディープなんか、やっぱり会いに行っても自分がどういう存在かを分かっていて、自分がどうしたら人が喜ぶかとかも分かっていた感じがすごくした。
初対面時には、選手育成のヒントも得ていた。3年前は関係者にも多くの話を聞いた。「ディープは(デビュー前から)真面目で品が良かったと。そういう選手を育てないと安定して勝てない」。当時、興奮冷めやらぬ状態で、熱く語っていた。
強く勝ちきる、圧倒的なパフォーマンスは、競馬でも野球でも、ファンの心を魅了する。大事なことを教えてくれた名馬の突然の死に「残念」の言葉を5度も使った。それだけ、栗山監督に大きな影響を与えたのがディープインパクトだった。今季のチームスローガンは「驀進(ばくしん)」。勢いよく、まっしぐらに進むという意味。「驀」という漢字に馬が入る。ここからペナントレースも最終コーナー。ディープのように、強烈な末脚で混戦のパ・リーグを勝ちきる。指揮官の覚悟は、さらに強くなったはずだ。【木下大輔】



