阪神が中日とは実に57年ぶりに0-0で引き分けた。先発青柳から6投手で無失点リレーを決める一方、打線は8安打ながら3併殺と詰めを欠いた。

4番マルテ、5番ソラーテも2人でわずか1安打と元気なし。今季6度目の引き分けで、このカードは6勝12敗1分けとなり2年連続で勝ち越しはなくなった。

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ナゴヤドームのスコアボードには「0」しか並ばなかった。3時間59分の攻防は徒労に終わり、矢野監督も浮かない顔だった。「ずっと0でいければ、もちろん負けることはない。ただ投手にそんな負担をかけられない。今日の反省としては点を取らんと。1年間、ここまで戦ってきた課題もそこに出ているのはチームとしてある」。救援陣がしのいでも得点できない。今季の戦いを象徴していた。

威圧感、期待感…。助っ人から、いまもオーラが出ない。最大のチャンスは7回だ。1死一、二塁の先制機。マルテの気合は空回りした。初球変化球を打ち損じてボテボテのゴロは投手前へ。悪夢の併殺打に倒れた。4番は4試合目だが、存在感を示せない。5回も2死一、二塁で1球目を空振り後、遊飛に終わった。2度の好機ともに似た状況で初球から積極的に振って出たが、中日バッテリーの思うツボ…。指揮官は「もちろん決めてほしいし、そのために来てもらってる。ソラーテにしてもマルテにしてもそういう選手。打ちに行って打てなかった。明日以降ぶつけてくれれば」と話す。9日広島戦(京セラドーム大阪)で左足首を負傷した糸井の2軍離脱が大きく響いている格好だ。

新外国人ソラーテも7月下旬の合流直後の勢いが消えている。この日も「5番二塁」で先発。3回は2死一、二塁で大野雄の内角低め速球に反応できず見逃し三振。思わず白井球審に歩み寄るなど、フラストレーションのやり場がない様子だった。5打数1安打だったが、ストライクゾーンに戸惑い、守備のミスでリズムをつかめないのが現状だ。

勝負の夏場に起爆剤として期待された「ソラマル」だが、まだ単発的な活躍しか見せられない。中日のアルモンテ、ビシエドが安定して快音を響かせて不気味さを示すのと対照的だ。助っ人野手に泣かされた近年と同じ光景が、今年もシーズン佳境に見られている。

今季はナゴヤドームで慢性的な貧打に陥り、前日12日の1回の1点を最後に20イニング連続無得点の窮状だ。やはり「鬼門」か…。今季6度目のドロー。クライマックスシリーズ進出圏内に近づけず、残り34試合。名古屋の夜は、もどかしさだけが募った。【酒井俊作】