日本ハムが西武19回戦(メットライフドーム)で接戦を落とし、大失速の8月は早くも月間負け越しが決まった。

1点リードの5回の守備で失策が絡んで逆転され、逃げ切られた。これで8月は10試合を残して2勝13敗1分けとなり、ロッテと入れ替わって5位に再転落。首位ソフトバンクとは今季最大の9差、最下位オリックスは1・5差となった。

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息詰まる投手戦は、ミスが命取りとなった。1点リードの5回1死一塁の守備。三ゴロで併殺を狙った近藤が、慌ててしまった。捕球後にボールが手に付かず、二塁への送球がワンテンポ遅れた。急いで投げたが悪送球となり、ピンチが拡大。1死満塁とされて秋山に決勝の逆転打を浴びた。近藤は「焦ってしまった。握りきれなかった。2度とあってはいけないこと」と猛省した。

栗山監督の采配も、はまらなかった。2-3で迎えた8回の守備。4番手の堀が2死から外崎に二塁打を浴び、山川を迎えたところで井口を投入。変化球2球で追い込んだ後は、ボール球で空振りを誘ったが見極められた。フルカウントとなったところで栗山監督は申告敬遠を選択した。

栗山監督 あの場面は、ボール球のサインを出しても、ストライクがいってしまう確率が高いと思った。それならば、はっきりとさせるべきだと思った。

今季35本塁打の山川に、失投で本塁打を浴びることだけは避けたい場面。歩かせてもいいと割り切りながらも、投手の本能でストライクを投げてしまうこともあるとにらみ、石橋をたたいて、次打者の木村との勝負に打って出たが、結果は無情にも適時打。駄目を押された形となった。

勝ち運から見放された8月は、早くも月間負け越しが決定。主将中田が故障離脱したことで4番に据えている清宮も、なかなか結果が出ないなど、生みの苦しみが続く。栗山監督は「何とかしないといけない。個人の問題ではない」と語気を強めた。残りは30試合。苦境を打開する一手がみつからなければ、取り返しがつかなくなる。【木下大輔】