楽天ジャバリ・ブラッシュ外野手が5万号の興奮を来日初のサヨナラ弾で上書きした。

延長10回1死一、二塁から左中間スタンドへ26号3ラン。警戒していた酒居の落ちる球を2つ見逃し、ストライクを取りにきた甘いスライダーをひと振りで仕留めた。敗れればロッテに並ばれ、今季のカード負け越しも決まる分水嶺(れい)の一戦。チームは9回1死満塁でサインミスから絶好機を逃していたが「仲間のミスを支えるのも、チームメートの大事な役割だから」と胸を張った。

4回にはパ・リーグ通算5万号となる25号2ラン。「後から知ったけど、歴史あるプロ野球に名前を刻むことができて光栄だよ」と笑った。7月17日の22号から1カ月以上アーチを描けない時期もあった。「日本の夏は湿度が高くて苦しかった」。21日のロッテ戦で23号が出てから6戦4発。夏の終わりが近づき、再び上昇気流に乗っている。

30歳の誕生日だった7月のソフトバンク戦でも千賀から20号。日本では節目で鮮烈な活躍をする選手を「持ってる」と表現することを教えられ「『持ってる』雰囲気をつくり出すことはできる。それは意識しているよ」。チームの全打点をたたき出す4番の仕事を全うし、不敵な笑みを浮かべた。【亀山泰宏】