日本ハムは今季12度目の完封負けで、シーズンの勝ち越しはなくなった。

チャンスらしいチャンスは、たった1度だけ。0-1の6回、西川のバント安打と大田の連打で2死一、二塁としたが、チームの首位打者、近藤が二ゴロに倒れて万事休す。同点機を演出した西川は「優勝争いしているチームと下位争いしているチームの差が出た」と悔しさを押し殺した。

相手の先発、十亀の大きく割れるカーブに幻惑された。早いカウントから打たされて、凡打の山。チャンスらしいチャンスは、たった1度だけだった。6回2死走者なしから、西川がバント安打を試みて、三塁線に転がした。「テンポ良く投げられていたので、何かのきっかけになればと思った」と、2試合連続となる、見事な投前内野安打でチャンスメーク。続く大田の左前打で一、二塁と好機を広げたが、ここでチームの首位打者、3番近藤が初球を打って二ゴロに倒れ、万事休す。同点、そして逆転の走者がホームに帰ることはなかった。

試合前に栗山監督が「最近のライオンズは、打ち勝つより、逃げ切るという形に変わってきた」と指摘した通り、王者の戦い方は変化している。「勝っていても、負けていても、無駄な打席はない」が身上の西川は「優勝争いしているチームと、下位争いをしているチームの差が出た。気持ち的にも、戦力的にも」と、悔しがった。

20日からは、敵地福岡で2位ソフトバンクと2連戦。指揮官は「明日は明日で、全力でいくよ」と元気な声で心を鼓舞したが、クライマックス・シリーズ(CS)進出への可能性は、もう、ほんのわずかしか残っていない。【中島宙恵】