3点リードを追いつかれた直後の6回だった。DeNA神里和毅外野手が阪神に傾きかけた流れを食い止めた。

2死二塁でガルシアの外角速球を流し打ち。三塁手のグラブをかすめた打球は左前へ抜け、一時勝ち越しの走者を迎え入れた。「点を取られた直後だったんで、必死でした」と執念を見せた。

初回からスタジアムのボルテージを上げた。1回先頭で気迫のヘッドスライディング。二塁内野安打でロペスの先制2ランにつなげた。ケガのリスクもあるプレーで普段はそうしない。「どんな形でも勝つ」と、強い気持ちが前日の逆転負けのムードを断ち切った。

4安打に続いて2安打。ファーストステージ2試合で6度快音を響かせ打線をけん引する。シーズン終盤は2軍で打撃の修正に取り組んだ。考えすぎると行き詰まる。いい意味で「テキトーに。軽い気持ちで打つようにしました」。打席に立ったらリラックス。感覚を重視する“なんくるないさ打法”で道が開けた。

負けたら終わりなのは次戦も同じ。「サヨナラは素直にうれしかった。でも明日勝たないと意味がないですよね」。ファイナルステージの挑戦権ゲットへ、リードオフマンが出なければ始まらない。【鎌田良美】