大学NO・1投手は広島へ。明大の森下暢仁(まさと)投手(4年=大分商)は、広島が単独で1位指名し交渉権を獲得した。

森下は12球団どこでも行く決意でドラフト会議を迎えており、交渉は順調に進むことになる。会見では「佐々岡監督に負けない投手になりたい」と大きな目標を掲げた。新人王を念頭に、1年目からの先発ローテーション入りを目指す。

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張り詰めた空気は午後5時17分、一気にはじけた。広島の単独1位指名が確定。森下はニッコリ笑い、仲間と視線を合わせた。

高卒の時は決断できなかったプロ入りは、明大での4年で必ず達成しようと心に誓っていた。「12球団どこでも行きます」。腹を決め、栄えある1位指名を受けた。もう何も迷わない。

森下 本当に指名されたんだと思いました。幸せな気持ち、プロでしっかり活躍する責任感、自覚があります。台風などで被害に遭われた方がいる。勇気を与えるプレーをしたいです。

まず率直な気持ちを述べ、台風19号での被害に言及。すぐにプロへの熱い思いが込み上げてくる。

森下 小さいころから、前田健太投手を見てきました。勝てる投手、エースとしてやっていきたいです。

広島には明大出身の野村(12年卒)という心強い先輩がいる。

森下 野村先輩には、プロでどう過ごせばいいか、聞いてみたいと思います。

さらに佐々岡監督に話が及ぶと、もう怖い物なし。

森下 1、2年目から活躍されている大投手です。数々のタイトルを取られています。僕も負けないように、そして認めていただけるように頑張ります。

その佐々岡監督とは、会見から約1時間後には明大で対面。キャップをかぶせてもらい、緊張した面持ちでフラッシュを浴びた。

広島の街には行ったことがない。ただ、ファンの熱さは知っている。

森下 熱いファンの方が多い街だと思います。しっかり投げれば、先輩方が打って点を取ってくださると思う。厳しい世界だと思いますが、勝ち抜いていきたい。1年目はローテーションに入る投手になれるよう、新人王を目指します。

好きな言葉は「未来は可能性」。

森下 険しい道もあると思うんですが、可能性を信じて進んでいきたい。

総合力で勝負する22歳。満を持してプロの世界へ。【井上真】