DeNAドラフト6位の青森大・蝦名達夫外野手(4年=青森商)が、主軸で同じ右打者の宮崎敏郎内野手(30)に弟子入り志願だ。

28日、青森市内の同大で進藤編成部長、欠端スカウトから指名あいさつを受け、「開幕1軍」を目標に決意を新たにした。今季から宮崎を参考に構えの位置を低くし、春季リーグで本塁打王を獲得。秋は首位打者で16季ぶりリーグVの原動力となった生粋の青森人が、12年に同じドラフト6位からはい上がった宮崎のサクセスストーリーに自らを重ね、夢の舞台に飛び込む。

   ◇   ◇   ◇

「青森の星」が横浜の空高く輝いてみせる。蝦名は欠端スカウトから帽子をかぶせられると「やっとプロに入る実感が湧きました。開幕1軍を目指し少しでも早くDeNA、日本球界を代表する選手になりたい」と表情を引き締めた。

最終学年の復活をもたらせてくれた恩人との対面を心待ちにする。「宮崎さんのフォームを参考にしているのでいろいろ学ばせてもらいたい」。1年秋に打点王となり、2年までに2度のベストナイン(一塁手)。3年時は無冠に終わり、今春リーグ戦を前に高かったグリップの位置を、宮崎をまねて低くすると開眼。春は本塁打王(3本)、秋は4割6厘で首位打者を獲得した。1本塁打、三塁打3本、二塁打2本に4盗塁と走攻守で躍動。外野手で2季連続ベストナインと復活した。三浦忠吉監督(38)も「勝負強い打撃をプロでも発揮してほしい」と16季ぶり優勝の立役者にエールを送った。

通算57勝の欠端スカウトは「甘い球は見逃さずに長打にでき、追い込まれたら逆方向に打てる。抑えるのはしんどい打者」と投手目線で評価。98年日本一のマシンガン打線の一角、進藤編成部長も「3拍子そろいパンチ力もある。ウチは左打者が多いので、パンチ力のある右の外野手がほしかった」と期待を寄せた。青森商では高校通算31発を放ち、東都の数チームからも勧誘されたが、青森北から青森大に進んだ細川(現ロッテ)に憧れ、「青森からプロに入りたい」と地元にとどまった。身長185センチ、体重88キロと大柄ながら50メートル走は6秒0、遠投120メートルとスケールは計り知れない。「青森の子どもたちに夢や希望を与えたい」。地元愛を胸に、宮崎と同じ6位指名から球界のスターを目指す。【野上伸悟】