立大にエース田中誠也投手(4年=大阪桐蔭)そっくりの投手が現れた。先発した細田貴宏投手(2年=立教新座)だ。同じ左腕で、身長171センチ、73キロは、田中の171センチ、68キロに近い。テークバックを大きく取り、腕をしならせるように投げ込むフォームもそっくりだ。

1年前、トレーナーに言われた言葉がきっかけだった。「球速がなくても抑えられるように。誠也を目指せ」。もともと、テークバックは大きかったが、エースの投球フォームを意識するようになった。

細田は「誠也さんを目指すのは合理的だと思って、見習ってます。体は大きくないのに、140キロぐらいの球に勢いがあって、コントロールがいい。投球の無駄が少ない」と意図を説明した。最速134キロの細田にとって、140キロでも空振りが取れる田中は格好のお手本となった。

キャッチボールでペアを組んだ際、「指先でボールをなめろ」と言われた。指先でリリースする感覚を、舌でペロリとなめる様子にたとえたもの。「前で離せ、ということ」と解釈し、日々、練習している。

この日は4回まで投げ、3安打無失点、4奪三振だった。「2死からボールが甘くなったのは反省です」と振り返った。卒業するエースの教えを胸に、来年こそ、リーグ戦デビューを目指す。