勤労感謝の日の23日、全国各地でプロ野球球団のファン感謝デーが催された。東京ドームで開催された巨人の「ファンフェスタ 2019」では、今季限りで現役を引退した巨人阿部慎之助捕手(40)が引退セレモニーに臨んだ。レジェンドは、ほおを伝う「涙のあいさつ」で大歓声を浴びた。

涙のあいさつ、ありがとう慎之助。今季限りで現役を引退した阿部は、弟分の坂本勇から花束を渡されると、こらえ切れない涙を拭った。静まりかえるスタンド。スポットライトを浴び、人目をはばからずに涙した。

最高のありがとうを伝えた。「最高の仲間、最高の指導者、最高の裏方さん、最高のファンの皆さんのおかげで19年間プレーできた。19年間プレーできたことは僕の人生で一番の誇りです」。言葉を詰まらせても言葉を絞り出した。「小さいころ野球に…出会わせてくれた両親には感謝しかありません。そして家族、親戚にも感謝しかありません」。ほおを伝う涙が19年間の結晶だった。

来季からは2軍監督として指導者の道を歩み出す。「1人でも多く、1軍に行かせられるような選手を厳しく指導していきたいと思います」と決意表明。背番号10のラストプレーはマウンドに上がった小学2年の長男成真くんの投球を捕手として受けた。「19年間、本当にありがとうございました。最高です!!」と高らかに、力強く、締めくくった。【為田聡史】