大腸がんから復帰した阪神原口文仁捕手がセ・リーグ特別賞を受賞し、来季のタイトル奪取を誓った。NPBアワーズ2019にスーツ姿で登壇。背筋を伸ばし「来季はタイトル取って、ここに立てるように頑張ります」と言い切った。

プロ10年目は試練のシーズンだった。1月8日に受診した人間ドックで大腸がんを宣告され、同26日に手術。2月の春季キャンプに参加せず闘病し、6月4日ロッテ戦で1軍復帰。「充実した1年だったと思います。やっぱり復帰戦は自分のなかでは大きい。その日が一番印象深い。ヘッドスライディングしたのは、自然と出た。すごく感触が残っている」と振り返った。

今季は43試合出場で打率2割7分6厘、1本塁打。捕手での先発は7戦にとどまり、満足感はない。「6月に復帰して物足りなさはあります。やっぱりチームに貢献したい。もちろんそれ(タイトル)を目標にするのは当たり前。なんとかそういうところまでいけたら」とレギュラーを奪い、タイトルを狙う気構えだ。

今月24日に自らの病状を「ステージは3b」だったことを告白した。この日も「自分1人の力では到底あり得ない。復帰の時期もそうですし、復帰してからも自分1人の力ではあり得ない。感謝の気持ちです」と話した。ひたむきさを秘めつつ、来年を見据えた。