あの伝説を再び甲子園へ。阪神の新入団選手が1日、施設見学と体力測定を行った。ドラフト2位の履正社・井上広大外野手(18)は甲子園歴史館で展示された「バース・掛布・岡田のバックスクリーン3連発」に刺激を受けた。

自身も今夏の甲子園決勝で同じようにアーチを描いた。「自分も目指してやりたい」と伝説再現を誓った。

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甲子園歴史館を見学する井上の視線は、「虎の伝説」に向けられた。85年4月17日、当時の甲子園を熱狂させた「バース・掛布・岡田のバックスクリーン3連発」。展示された当時の写真を見て、井上は熱くなった。「自分もホームランバッターを目指してやっている。(そこを)目指してやりたい。歴史に残る選手になりたい」と意気込んだ。

井上自身はすでにアーチを描いている。今夏の甲子園決勝。ヤクルトのドラフト1位、星稜・奥川からバックスクリーンへ逆転3ランを放った。「もう1度、プロ野球選手になって、バックスクリーンにホームランを打ちたい」。甲子園で使用したバットは歴史館に寄贈し、この日は久々の「再会」となった。3連発を打つなら、の問いに、こう返した。「自分が最後のバッターだったらいいなと思う」。3連発では最も重圧のかかる3人目の打者を希望し、強気な一面をのぞかせた。

負傷した右足首は順調に回復している。11月19日の下校途中に府内の駅で後ろからぶつかられ、捻挫した。この日の体力測定は一部の測定のみに終わったが、松葉づえは外れており、元気な姿を見せた。「体幹やインナー(マッスル)のトレーニング。焦ることはないと思うのでゆっくり準備していきたい」と今後の見通しを語った。まずは体調を万全の状態に整え、キャンプインへ。期待のスラッガーがバックスクリーン弾再現で、新たな伝説を作る。【只松憲】