一からのスタート。広島中崎翔太投手(27)が4日、マツダスタジアム内の球団事務所で契約交渉を行い、9度目の更改で初減額となる1500万円減の1億4500万円で更改した。

今季も開幕から抑えを任されるも右膝痛の影響もあって安定感を欠き、防御率4・08で9セーブ。配置転換、2軍降格を味わい、11月6日には右膝半月板部分切除手術を受けた。リハビリを乗り越え、守護神返り咲き目指す。

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来年、与えられたポジションはない。プロ初の減額更改に、中崎は「一からのスタート」を胸に刻んだ。今季は開幕から調子が上がらず、抑えから降格。チームも低迷した。球団は投手陣再整備へ「助っ投」2人を獲得。契約交渉の席では球団から「もう1度しっかりとした役職に就いて、結果を残せるようにやってくれ」とハッパを掛けられた。

「また一からのスタートになるので、ポジションを奪って、しっかりとした成績を残せれば。(新外国人が)次々に発表されていますけど、外国人枠もある。僕ら日本人選手が頑張らないといけない。負けないようにやっていきたい」

昨年までの4年で257試合に登板。3年連続胴上げ投手にもなった。1500万円の減額にとどまったのは、近年の貢献度が考慮されたものだ。

「僕の成績がチームの成績に直結したと言っても過言ではないので、本当に悔しかった。結果も残せていないのにこうやって(減額を抑えて)契約をしてもらえるので、来年は本当に巻き返さないといけない」

球団への感謝はプレーで返すつもりでいる。今年は苦しかった。「いいものが続かなかった。何をやってもうまくいかない」。開幕から安定せずに配置転換、2軍降格を味わった。最後となった8月26日の出場選手登録抹消時は「このままいても迷惑をかけるだけなので、落ちるときにはホッとした」と漏らした。11月6日には不振の一因でもあった右膝の半月板部分切除手術を受けた。年内には走り込みを再開し、年明けからキャッチボールの強度を上げていく。

来季、広島の抑えを含めた勝ちパターンは白紙。候補は外国人選手だけでなく、今季台頭した菊池保や中村恭もいる。「できることをしっかりやったら結果もついてくると思います。ほかの人に負けないくらい頑張れれば」。失ったポジション、信頼は自ら奪い返すしかない。【前原淳】(金額は推定)