「ノムラの教え」を携え、名捕手への道を切り開く。楽天育成ドラフト1位の大分・江川侑斗捕手(18)が6日、仙台市内の犬鷲寮に「宝物」とともに入寮した。「野球に学び 野球を楽しむ」。自身を特集した番組を通じて手に入れた、野村克也氏直筆のメッセージ入りの色紙。「メッセージ通りにやっていこうと思います」と背筋を伸ばして新生活に思いをはせた。

不思議な縁を感じた。誕生日は野村氏と同じ6月29日。同氏が監督を務めた球団から指名を受けた。「憧れの人です。僕が中学生の時にすごい視点から解説されているのを見て、好きになりました」。著書を通じて配球、野球への考え方などを学び「ID野球」をたたき込んだ。

目標は「勝てる捕手」。二塁送球1・8秒を誇る強肩が売りだが「打力を身につけないといけない」と自己分析する。11日からは新人合同自主トレがスタート。「レベルの高い場所で野球ができるので、いろいろなことを吸収したい」。テスト入団から名捕手へと上り詰めた「月見草」のように、強くたくましくはい上がる。【桑原幹久】