「小峯、はんぱないって!」。楽天の育成ドラフト2位の右腕、小峯新陸(しんり、18=鹿児島城西)が驚異のしなやかさを披露した。16日、新人合同自主トレで初のブルペン入り。捕手を立たせ、直球のみ31球を投げ込んだ。肘と肩の関節が柔らかく、リリースぎりぎりまで前腕(肘から手首まで)が上腕(肘から肩まで)に隠れる。球を受けた河田ブルペン捕手も「独特な感じ。球も力強いし、タイミングを取るのが難しい。かなり打ちづらいと思いますよ」と評価した。

整体院などでも、必ず可動域の広さに驚かれてきた。「自分のアピールポイントでもあるので、なるべくバッターから見にくく、かつ速い球を投げたいと意識している」と『武器』を自認する。小学生の時にテレビで観たダルビッシュ(カブス)にあこがれ、プロを目指す決意をした。「投球動作の入り方や、スリークオーター気味のところとか、いろいろ参考にしながら、自分のフォームを作ってきた」。身長も本家に迫る189センチまで成長。高校時代の最速は145キロだが、角度のあるスライダーも魅力で伸びしろは無限大だ。

支配下登録を目指し力が入る育成選手が多い中、しっかりと自分を見つめる。「社会人、大学生の先輩たちとは球質、勢いが全然違う。そこに合わせたらケガをしてしまうので、自分のペースでやっていこうと思います」と18歳ながら浮き足だったところはない。

母校の鹿児島城西といえば「はんぱないって!」の元祖で、日本代表FW大迫勇也を輩出したサッカー部が有名だが、野球部も昨秋の九州大会で4強入りし、センバツで春夏通じて初の甲子園出場が有力視されている。「後輩たちが刺激になっています」。「楽天のダルビッシュ」を目指し、背番号138から1歩1歩階段を上がる。【野上伸悟】