キャプテン2年目を迎える阪神糸原健斗内野手(27)が19日、神奈川・川崎市の「ENEOSとどろきグラウンド」で自主トレを公開。昨季限りで退団した鳥谷敬内野手(38)のキャプテンシーを継承することを誓った。

今月8日から社会人時代の古巣で汗を流し、主将としての決意を新たにした。脳裏に浮かぶのは、長くチームリーダーを務めた、あの姿だ。「鳥谷さんの準備だったり、そういう姿勢は全部もう、ずっと一緒にやってきて見てきている。目標とする選手ですし、見習うところばっかり」。目指すべき背中だ。鳥谷は12年から5年連続で主将の肩書を背負い、17年に福留に引き継いだ後もチームの精神的な柱だった。

ナイター開催でも午前中から球場で準備を始め、ストイックな姿勢や高いプロ意識は、後輩たちの手本となった。「感じるものもたくさんあったし、学ぶことしかなかったんで、そういうのも自分のためになる」。糸原も大きな影響を受けた1人だ。「いいところを見習って、ずっとベテランに頼っててもダメだと思うので、僕ら若手が引っ張っていかないと」。大先輩を手本に、次は自らが頼もしいリーダー像を作る。

初めて「C」マークをつけた昨季は「1年間、右も左も分からなかった」と無我夢中で走り抜けた。2年連続で全試合出場を達成したが、今年は個人的な目標をまずは封印する。全てはチームを優勝に導くため。「去年は全試合という自分の目標にこだわりすぎて、あまりいい結果が出なかった。今年はキャプテン2年目ですし、まずは勝ちたいという気持ちしかないんで」。

12月は広島市内のジム「アスリート」で強化トレーニングを行い、広島西川らと技術的な情報交換もした。現在はパワーアップした体を使いこなすため、スピード系のメニューに取り組んでいる。不屈の「鳥谷魂」を、27歳の主将が受け継ぐ。【磯綾乃】