ロッテのドラフト1位、佐々木朗希投手(18=大船渡)が20日、最速163キロの秘密の一端をのぞかせた。新人合同自主トレはこの日から浦和の2軍施設に移動。キャッチボールやノックとともに20メートルダッシュの計測が行われた。佐々木朗は今年導入のWITTY(高性能タイマーと光電管を組み合わせた最新計測機器)で2秒8をマーク。2秒73だったドラフト3位、高部瑛斗外野手(22=国士舘大)に次ぐ2位に入った。

「そんなに遅くなかったので良かったかなと思います」と控えめな笑顔を見せたが、190センチ、85キロの体を俊敏に動かすのは簡単なことではない。見守った菊地大祐1軍ストレングスコーチはストライドの長さだけが速さの理由ではないと断言。「投手の中であれだけ瞬発力のある選手はそこまで多くない。ジャンプの測定など瞬発系の種目をやると高い数字を出しますし、走っている姿を見ても、そういうところが特長かなと思います」と分析した。

野球は技術的な要素も多く、力があるから球が速いとは一概には言えない。ただ昔から長距離よりも短距離が得意だったという佐々木朗が、その瞬発力をリリース時の爆発的な力に効率的に変換し、163キロにつなげている可能性は高い。今後は春季キャンプも含めて定期的にフィジカルチェックを行い、提携する順大とともに163キロの秘密を解き明かしていく。

自主トレがZOZOマリンから浦和で行われるようになり、これまでは午前6時20分前後に起床していたが、7時まで眠れるようになった。「前よりも時間があるので、これからうまく使っていきたいと思います」という。報道陣から少しでも長く寝ていたいかと質問されると「そうですね。寝るのは大切だと思うので」とニコリ。睡眠時間を十分に取り、春季キャンプへ向けてさらに状態を上げていく。【千葉修宏】