西武の主砲、山川穂高内野手(28)が全方向へ本塁打が打てる新フォームに改良中だ! このオフから、体の正面に構えていたバットをよりトップに近い顔の右側に置き、豪快に上げていた左足の動きも小さくした新打法を習得中。6日の練習後「シンプルに打つのを意識しています。足をあまり上げなくても飛距離は変わらないし、(バットも)反動を使わず、出しやすい位置に置いてます」と意図を説明した。

去年は50本塁打を目標としたことで「すごく力んだし、空回りもした」。不調で4番を外れ、2年連続40発はマークしたが、打率は3分近く落とした。今季は「もともと持っていた」という高打率への意識と本塁打を両立させるフォームを模索。シンプルにバットを出し、中堅中心にはじき返す打法にたどり着いた。

本塁打自体はポイントを前にして拾うように振れば、いくらでもレフトへは打てるという。だが練習でそれはやらない。「めちゃくちゃ我慢してセンターに打ってます。センターの方が広いですからしっかり打たないと入らない。ライト方向は体重が乗りにくい分、飛ばない」。ストレスを感じながらも意欲的に取り組む。

お手本はヤクルトで60発を打った年に「神宮の右中間、ライトに打っていた。すごく良い体の残りかたをしていた」というバレンティン(現ソフトバンク)やミゲル・カブレラ(MLBタイガース)、カブスなどで活躍したサミー・ソーサ氏。「今年は頑固に、シンプルにいくと決めたから打てないから元のフォームに戻すなんて絶対ありえない」。全打席全方向へアーチを狙い、結果として打率も残せれば3冠王も夢じゃない。【千葉修宏】